二井くんは何か知っているようだったが、途中ではっと言葉を止めた。 「どこにいるか知っているけど……誰にも教えるなって言われたんだよね……」 う~んと考えこんでいる二井くんがもどかしい。 「大丈夫だよ!私は妹なんだからっ」 と根拠もないことを言ってみると、考えこんでいた二井くんはぱっと顔をあげて私を見つめ、それからあっさりとそうだよね、と頷いた。 た、単純…… もしかして日菜子タイプ? とどうでもいいことを心配していると、こっち、と二井くんに手を引かれて慌てて走り出した。