「……」
お兄ちゃんが去っていくのを黙って見つめていると、背後で砂を踏む音がした。
振り返ると、そこにいるのは佐伯先輩。
「優絵ちゃん……」
佐伯先輩は今まで見たことないような真剣な顔をして、わたしに近づいてきた。
わたしは近づいてくる佐伯先輩に、ごくりと息をのんで思わず一歩後ずさる。
そんなわたしの様子に、佐伯先輩は足を止めてふっと笑い、口を開く。
「優絵ちゃん、もうわかってると思うけど……私、須藤くんのことが好きなの」
「……」
気づいてた。
先輩がお兄ちゃんのこと、好きだってことなんて。
お兄ちゃんを見つめる目や、話し方で自然とわかる。
そしてさっきキスしたことで、それは確信に変わった。
黙りこくるわたしに、佐伯先輩はさらに口を開く。



