とくんと胸を鳴らした瞬間
「おーい、センリー!」
「!!」
木戸先輩の声が聞こえてきて、ぱっとお兄ちゃんから離れた。
わたしたちはちょうど校舎の陰にいるからまだ姿は見られてない、はず。
お兄ちゃんは手を広げたままじとっとわたしを見てきた。
ひい!
そんな目でみないでよ!
手! 手を下ろして!
あわあわしていると、木戸先輩がわたしたちを見つけて走ってきた。
「センリ!なんでこんなとこいんだよ!もうすぐお前の出番だぞっ!」
「……ちっ」
「なんで舌打ちすんだ!」
せっかく呼びに来てやったのに、と地団駄を踏む木戸先輩のことなど意にも介さず、お兄ちゃんはわたしにちらりと視線を送ったあと、背中を向けて去っていった。



