そんなんじゃない。
なんでわかんないの?
お兄ちゃんの顔をじっと見つめる。
お兄ちゃんは不思議そうに、わたしを見ていた。
暑さと、走ってきたのとで、お兄ちゃんの首筋には汗が滲んでいる。
ごくりと喉を鳴らして、ゆっくり、顔を近づけた。
「わたし……」
手を伸ばして、お兄ちゃんの頬に指先を滑らせて。
その手を、お兄ちゃんがそっと掴んで、微笑んだ。
「……いいよ」
耳元で囁かれたそれに目を見開くと、お兄ちゃんの手がわたしのポニーテールのリボンに指をかけ、髪を解いた。
しゅる、とリボンが地面に落ちる。
戸惑いながらお兄ちゃんの顔を見つめると、お兄ちゃんは解放されたわたしの髪にするりと指をとおした。



