乾いたピストルの音が空に響き渡る。
それと同時にわああーっと歓声が上がって、それぞれのブロックの応援をする。
体育祭が、始まった。
皆興奮して、ぴょんぴょん飛び跳ねたり手を思いっきり振ったりしながら、楽しんでいる。
そして早速お兄ちゃんの出番。
お兄ちゃんが出場する種目をすべて把握しているわたしは、さっきのもやもやなんかころっと忘れてて、お兄ちゃんの姿を必死で探した。
「すぅちゃん、兄上あそこにいるよ」
「えっ、どこど…こ……」
怜奈ちゃんが指した先のスタートラインで、お兄ちゃんが二井くんの襟首を引っ掴んでいるのが見えた。
おい。
何してるの?
二井くんは掴まれて、当たり前だけど迷惑そうにお兄ちゃんを見上げている。
「須藤先輩……離してください…」
「しょせんお前は二井で二位。引っ込んでろ」
おい。
何てこと言ってんの。
怜奈ちゃんが持っていたメガホンをさっと奪い取って、二人に向かって大声で叫ぶ。
「がんばれ二井くん!お兄ちゃんなんか負かしちゃえ!」
「なんで二井の応援するんだよ!」
「ハデにこけてきなよ!ばかー!」



