「あの、さ……」
「なんだよ?」
「………」
ギロリと睨みつけられて、思わず口ごもる。
だけど気を取り直して、
「話…、私でよかったら聞くよ?」
「なんでお前なんかに話さないといけないわけ?ぶす」
……いらなくない?
最後のやついらなくない!?
私はちょっと腹が立って、むっと口を尖らせた。
「もう!人がせっかくっ」
「親切に?そういうのは親切って言わねーの。お節介という」
「………」
べ、と舌を出す玲人に、もういい、と言って顔を背けてやった。
もう話しかけてやるものか、とついでに背中も向けてやった。
ザザン、とまた波が打ち寄せる。
話しかけてやるものか、とは思ったものの…
沈黙………
気まずい。
もう意志が挫けそうで、汗がたらりと流れたとき。
「俺が死んだのは、10年前だ。」



