「麻美は・・・それでいいの?」


「え?」


それでいいって・・・


「朔哉は 麻美の事あれだけ


想って考えてくれてるんだよ?


その想い・・・無駄にするの?」


「・・・」


無駄に・・・出来ない


でも どうすればいいのか


今更・・・わからないよ


「ごめん・・・私帰るね?」


玄関に向かって歩き出した


学校を出て 家に向かって歩く


きっと私の顔・・・涙で濡れて


酷いよね


家に帰れば お兄ちゃんが居る・・・


「麻美・・・?」


振り返らなくても 声でわかった


お兄ちゃんだって・・・


私は泣いている顔を


見られなくなくて俯いた


「あ・・・お兄ちゃん」


笑わなきゃ・・・


「・・・どした?」


ダメ・・・優しくしないで


またお兄ちゃんに気持ちが揺れてしまう


「なんでもない・・・」


また・・・涙が出てきたのがわかった