私があんなこの世で一番かみ合わないだろう男の味方をしなきゃいけないのか。
あんな男が他人にどう思われようと知ったことじゃないよ。
「ちょっと、私情が溢れただけ」
「ふーん。でも新庄くんも澄みたいなことを思ってたかもしれないから、怒ったんでしょ?」
あいつがそんなこと気にするかな。
他人の意見を気にするような奴じゃないと思うけど。
私もそこまで気にしているとは思えないけど。
ただ、なんか、すごく、いやだった。
「あ、先生来た」
ぼんやりしていると、先生の姿に気がついた泰子が慌てて自分の席に戻っていった。
あの男が。
他人のことなんか気にするかな。そもそも本人が他人に興味がないようにも思える。
……だけど。そんな奴にあんなに男友達が出来るだろうか。
私に泰子がいるように。もちろん他にも友達はいるように。あいつにも友達がいる。
友達の定義なんかわからないけれど、友達がいるっていうのは、その人のことをそれなりに理解して、それなりに心を許ることができるからなんじゃないかな。
特に私や新庄のように、ウワサだけが勝手にひとり歩きするような人種には特に。
……まあ、別に本当のことばかりだけど。根も葉もないウワサな訳じゃないけどさ。
「おい、問題児」
「え? あ、ん?」
突然の声に、顔を上げると、新庄が私をえらそうに見つめていた。
「なに」
「帰るんだよ。お前学校に泊まるのか? 泊まりたいなら好きにしろ」
心底バカにした様な顔をして、くるっと背を向ける。
いつの間にかホームルームは終わっていたらしい。
っていうか泊まるわけないし……バカはお前だバーカ。



