もうすぐ八時になる頃だった




あたしはお笑い番組を見て笑っていて、夕飯がすき焼きと言うことに喜んでいたとき……




となりに座っていたパパの顔色が悪く、見るからにしんどそうだった







「パパ大丈夫?」



ママがえらくなっちゃった?って聞いた時は首を振っていたが、私が聞くと、「えらい」と一言言った







その言葉で私はぞわっと嫌な感じがした




ママが「病院帰る?」と聞くとパパは頷く






ママが病院に電話を掛けた直後、パパは泣き出した


声が震えててなにを言っていたのか明確には分からなかったけど、「何で…」と聞こえた








ママが急いで準備をして、パパを抱き締めながらあたしはその様子を黙ってみてた



「パパ髪の毛薄いから帽子かぶらないと寒いよ!」


なんて冗談を言った







しかし車に乗った直後、パパの気分が悪くなり何度も嗚咽を繰り返していた
ママは慌ててビニール袋を取りに家の中へ走り、あたしは何も出来ずにパパの背を撫で続けた


ただ怖くて怖くて───



体調が急変したんじゃないかって…
怖くなった














「すき焼きはお肉入れて二人で食べてね」





そう言ったママはあわただしく出て行った












楽しみだったすき焼きを見て、なんだか胸がキュッとして、怖くなった

















大丈夫だよね?