「郁未、お前――」

「な、なに?」

「怖いのか」


ビクッ


……意外にも、怖がりか?


「なんで言わなかったんだよ?」

「知らなかったんだもん」

「は?」

「自分がお化け怖いのとか、知らなかった」


……まさか、お化け屋敷初めてなのか?


「まぁいいんじゃね?可愛いとこあんの知れたじゃねーか」


ぎゅっ


手が、スゴい力で握られた。

……今はとくに屋敷の中でなにも会ってねーけど……。


「どうした?」

「……か、かわ……」


……皮?

川?


「可愛いって……今……」