これは……どっちを信じればいいだろう?


溜まり場のみんなと同じように木岐さんから逃げるか、コイツを信じて木岐さんと顔を会わせて安全になるか。


ただ、忘れちゃいけないのがコイツの目的。

まさか木岐さんに会わせてすぐ『コイツ嫌い』とでも一言言えば、安全とは程遠い位置に立つ。

それに、俺だけが選ばれてるわけじゃなければ、必然的に俺はただ顔を会わせただけで安全が保証されないなんてこともあるかもしれない。


それを考えると、みんなと同じ立場にいるのがある意味一番安全かもしれない。

リーダーに守られる立場。

最初の約束さえ守れば、木岐さんに関わることなく、安全だ。


……さて、どうする?


「名前、呼んでくれる?」


俺の中で、答えは決まった。


「……イッコー」

「……イクミだってば」


俺は、ヘタレに違いない。

結局、俺が選んだ答えは両方だ。