俺はついに来た。長い廊下を歩き、このクラスの扉の前。 さて、忘れちゃいけないのが深呼吸だ。 吸って── 「龍河くん!」 むぐふっ!!! 俺は深く息を吸ったままむせた。 い、いきなり呼ぶんじゃねぇよ!! 「郁未!」 いきなり背後からのご登場。 「いつまで経っても来ないから、迎えにでも行こうとしてたんだから」 「悪ぃ悪ぃ。洸稀と話してた」 一見特に変わった様子は見当たらねぇな。 「やっぱり溜まり場居たんだ」