「どうだろうな、俺は放っておいてほしいけど」

「この場合は……木岐が勝つかもな。関わらないのが暗黙の了解。ヘタしたらお前までさけられる事になるかもな」

「別にいい。仲良い奴なんかいないし」


でもそれは……郁未を傷つける事になるかもしれないな。


郁未のせいじゃないのに、責任感じそう。


「何笑ってんだ?」

「別に」


急に、郁未が恋しくなった。

しかたねぇよな。


「郁未の様子見に、クラス戻ってやるか」

「決心付いたのか」

「バーカ、デート誘いに行くだけ」


クラスに戻ったら、俺の扱いが変わってるかもしれない。

それでもいい。


そしたらどうせ郁未くらいしか味方がいないんだ。

彼女の相手をしてやればいい。


自然と足は加速する。

今ちょうど休み時間になった所だ。


さぁ、彼女に会いに行こう。