「……なに?」 「聞きたいことがある」 そう言いながら、栗田は車を路肩に止めた。 沙耶香は怪訝そうにマユを寄せて、首を傾げる。 その時、ポツリポツリとフロントガラスに雨粒が落ちてきた。 「あ……」 ネコの言ったとおりだ。 あの三人は大丈夫だろうか? そんな思いがよぎる。 その瞬間……。 目の前の視界が真暗になった。 その代り、耳の近くで確かな鼓動が聞こえてくる。 トクントクンと、規則正しい心音。