幸也は沙耶香を自分の胸から引き剥がし、 「あまりにも現実離れしてる」 と呟きながら、冬我の後を追った。 手の甲いっぱいに見開かれた、大きな目。 それはギョロギョロと動きながら辺りの様子を伺っているようにも見えた。 すると、ネコはヒョイと肩をすくめて、 「これはすごい」 と一言いった。 「すごいって、何が?」 幸也の後ろにピッタリとくっつき、それ以上ネコに近づかないように気をつけている沙耶香が聞く。 「ここは間違いなく『幽霊の携帯電話』の噂の発祥の地だ」