青年は、ペロッと舌を覗かせて風船ガムを膨らませ、パンッと小さく破裂し鼻の頭にへばりついたガムを、親指と人差し指でつまんで、また口へと持っていく。 ウゲッ、見ていて気持ちが悪い。 まるで小学生だ。 「ニュースで見ただけぇ……」 藤堂は、沙耶香が精神的に落ち込んでいるのではないかと思い、他の生徒から何か情報を聞きたいと思ったが、タイミングが悪くチャイムが鳴り出した。 昼休憩、終了だ。 目の前にいた青年は、チャイムが鳴り始めると同時に教室の中へと姿を消した。