「覚えてないけど……」 「そんなハズないだろう? こいつはお前を見たと言ってる」 幸也にそう言われても、思い出せないものは思い出せない。 けれど……。 紗耶香は、ネコの大きな目をマジマジと見つめて……何かを思い出したように、ハッと小さく息を飲んだ。 見たことのある、目だ。 「思い出したか?」 「……昨日、お姉ちゃんの現場で……」 その言葉に、ネコは無言で頷いた。 その瞬間、紗耶香は大きな悲鳴と共に、 「人殺し!」 と叫んだのだ。