「白川さん、僕と付き合って下さい」

悪夢だと思った。

目の前のキラキラ輝く真っ黄色の短髪も全開なおでこも、だらしなく気崩した制服も、夢ならいいのに。

目をキツく一回閉じて、また開ける。

そこにはやっぱりヤンキー全開の黄色。

どう考えても……現実だ。

「……中山君?」

「はい?」

「何で?」

「え?告白に理由っている?あ、好きですって言い忘れちゃった」

「…………」

何の嫌がらせですか?
誰の差し金ですか?


桜の季節が終わる頃

ザワつく教室の片隅で

ニヤつく華の視線を背中に感じながら

心配そうな恵美を横目で捉えながら

なす術もなく

気がつけば“ランク外のキミ”が私の彼になっていた。