嘘を付く時の癖がバレていることを知らずに・・・


―――不信感が募ることも分からずに。





子供に罪がないのは分かっていたけど、俺は妻の嘘が周りに迷惑を掛けさえしなければ


何もかもがどうでもいいと思っていた。







―――そんな俺にチャンスが訪れた。





入社して6年目の春



新卒を1年ぶりに採用した会社では歓迎会を行うため、全社員宛に日時と場所のメールが片瀬さんから送られてきた。



年明けの新年会で彼女の顔を見てからは、たまに掛ける電話も彼女に受けてもらえず


伝言も最近は前川さんから聞く機会が増えていて声すら聞けずにいた。