さよなら異邦人

駅を降りた時にコンビニを見たと里佳子は言ったが、僕等がじゃれ合っていた海岸からはかなりの距離だった。

海岸線沿いに延びる国道を、びちゃびちゃと音をさせながらコンビニを目指した。

コンビニの前まで来ると、中から出て来たおばさんに変な顔をされた。

まあ、無理も無い話しだ。

見るからに余所者然とし、全身びしょ濡れな訳で、しかもどう見ても高校生。

余程他人に無関心な人間じゃない限り、こんな姿を見たら首を傾げるに決まっている。

扉を開けて中に入ろうとしたら、レジの女の子と目が合ってしまった。

僕は肝心な事を忘れていた。

買い物をすれば、レジを通らなければならなかったんだ。

全身びしょ濡れの男が、女の物の下着を買って行く……

どう見たってまともには思われないよなあ。

地元じゃなくてまだ良かったが、暫くは鎌倉には顔を出せなくなる。

とにかくさっさと買い物を済まそうと思い、衣類が陳列されている棚を探した。