さよなら異邦人

濡れたまま砂の上に座る訳にも行かず、僕等は鞄を座布団代わりにして腰を下ろした。

「ねえ、頼まれてくれない?」

身体をモジモジさせながら、里佳子は鞄から財布を出した。

「パンツ、買って来て」

「はあ!?お前のを!?」

「他に誰が穿くのよ。出来ればブラも」

「こんなとこに女物の下着売ってる店なんかあるか?」

「さっき、ちらっとコンビニが見えたよ。そこなら売ってると思う」

「まさか俺一人で買いに行けってんじゃねえだろうな?」

「心優しき加瀬なら、二つ返事で行ってくれるよね」

「判ったよ、行けばいいんだろ、行けば」

「ついでに、タオルとかも。あっ、お腹も空いたから食べる物も。ただし、タラコのおにぎりだけはカンベン」

「そんなに注文付けるんなら一緒に来いよ」

「やだ、こんな格好で人前なんか歩けるわけないでしょ」

我がままセレブお嬢様にこき使われるシモベ……。

結局はそうなるんだよな……。

こうなったら、思い切りダサいパンツ買って来てやる。