さよなら異邦人

多分、僕はかなり困った顔をしていたのだと思う。

その顔が余程変顔に見えたのか、里佳子は腹を抱えて笑い出した。

「マジうけるんだけど」

「そんな事言っていると、絶対罰が当たるぞ」

と言った傍から、一際大きな波が僕等を襲った。

幾ら波打ち際に居たとはいえ、里佳子は生足なのをいい事に腿位の所まで海に浸かっていたから、全身を波に呑まれた。

波の勢いで倒れてしまったものだから、濡れてしまっただけでなく、砂まみれになってしまった。

「大丈夫か?」

「大丈夫じゃない!」

と言いながらも、里佳子は笑顔のままだった。

「着替えも無いのにどうすんだ?」

「このまま日光浴してれば乾くんじゃない」

「でも、下着とか濡れたままじゃ……」

「濡れたままじゃ?どうなのさ」

「お前、いつから小悪魔キャラになったんだ?」

「さあ、いつからかな。そんな事より、お日様にあたろ」

有無も言わさず里佳子は僕の手を引いて浜へ上がった。