さよなら異邦人

リュウノスケが帰って来たのは、真夜中だった。

居酒屋のバイトに行っていたニキータよりも遅く帰って来たリュウノスケは、体中からお酒の匂いをぷんぷんさせていた。

普段なら、先に寝ている僕だったが、バイトの件をどうしても伝えたくって、ずっと寝ずに待っていた。

鼻歌交じりで部屋に入って来たリュウノスケを見ているうちに、何だかすごく腹が立って来た。

「よっ!悩める少年は、寝ずにおいらの帰りを待っていてくれたのか。うん、いい心掛けだ」

「ふざけんなリュウノスケ!」

「おっ!?どうした、随分と機嫌が悪そうだな」

「当たり前だろ、毎晩毎晩どこほっつき歩いてんだか知らないが、脳天気に酔っ払ってばかりいて、親として恥ずかしくないのかよ!」

「おいこら、言うに事欠いてその言いざまは何だ!親の脛を齧るしか能がねえガキが、一丁前の口叩くんじゃねえ!いいか、てめえで稼いで来た銭で酒飲もうが博打打とうが、勝手だろうが。四の五の文句垂れるんだったら、てめえもいっぱしに稼いでから言えってんだ!」

「ああ、稼いでやるよ!こっちはその話をしたくって、ずっと眠いのを我慢して起きてたんだ。子供が親に相談したい時に、へべれけになって帰って来るなんて、どうせなら酔い潰れて野垂れ死にでもしちまえばよかったんだ!」

こうなるとお互い止まらない。しかも、近所迷惑なんか考えずに大声を出しまくっての親子喧嘩。

当然、隣室で寝ていたニキータとアニータは起きてしまった。