さよなら異邦人

「加瀬ェ、その腹の虫何とかしなよ」

「何とかするには、購買部でパンでも買って来るしかない」

「じゃあ、買って来て空腹を満たしたらいいじゃん。どうせ一時間目はホームルームだし、朝パンしてたって平気じゃん」

「そうしたいのは山々だけど、朝パンしてしまったら、昼にパンを買えなくなってしまう」

「何で?」

「何でって、金の事に決まってんじゃん」

欲しい物は何でも買える彼女だから、お金が無いから買えないという発想が湧いて来ないのだろう。

「じゃあ、アタシが買って来て上げる」

「いいよ」

「遠慮すんなって。タマゴロールでいいんでしょ」

僕のお気にのパンを彼女は何故か知っていた。

教室には行かず、先に購買部の売店へ僕と彼女は行った。

ここの売店で売っているタマゴロールの練り卵は、マジで美味だ。

それに、食べ盛りの僕達の事を考えてくれているのか、市販の物よりか大きい。

練り卵も溢れる位たっぷりと入っている。

彼女が代金を払い、紙袋を手渡してくれた。

紙袋に溢れた練り卵が付いていたので、僕はそれを舐めた。

僕のその姿を彼女は微笑みながら見つめている。

「何だ?何かおかしいか?」