さよなら異邦人

「加瀬ェ、今日ひま?」

「ひまと言えばひまだし、忙しいと言えば、そうかも知れない」

「ようは、ひまって事よね。学校終わったら付き合って」

「また買い物の手伝いさせられんのかよ」

「ピンポ~ン」

「なんで俺がリカコの買い物に付き合わなきゃなんねえの」

「いいじゃん。ご褒美に、チョコクレープ奢って上げるから」

彼女は僕の弱味を熟知している。

チョコ系のスイーツは、僕にとって猫にマタタビ。

目の前にぶら提げられたら、それだけでフレーメン状態…所謂、恍惚状態になってしまう。

チョコクレープの一言で簡単に承諾してしまった。

以前もこうして彼女に付き合わされ、買い物袋を両手一杯にぶら提げさせられた事があった。

女の子の買い物に付き合う事ほど、正直言って退屈なものは無い。

あれがいい、これがいいかな、こっちにしようかな、などと散々迷いながら、結局は何も買わずに帰る時もある。

こっちは、迷っている間中じっと待っていなければならない。

退屈を通り越して、苦痛に感じてしまう。