さよなら異邦人

いろんな女性との同棲が長続きしなかった真の原因は、ひょっとしたらこれじゃないかと思う。

母との離婚原因も、きっとそうに違いない。

寝言は耳栓で対処出来るけれど、おならをシャットアウトさせるには鼻栓をしなきゃならない。

そんなのしたら、とてもじゃないけれど息苦しくって堪えられないと思う。

寝不足でぼんやりした頭をすっきりさせようと思い、僕はシャワーを浴びる事にした。

意識がはっきりしないまま、僕は浴室の扉をがらりと開けた。

「キャー!」

朝シャン中のアニータが、こちらに背を向けて頭をソフトクリームのように白く泡立てている真っ最中だった。

「ご、ごめんなさい!」

直ぐに扉を閉め、僕はキッチンの椅子にへたり込んだ。

数秒後、シャワーの音がし始めた。

以前、同居していた父の彼女が、トイレ中のところを開けてしまった事はあった。

シャワー中は初めてだ。

何も身に着けていないアニータの背中が、くっきりと頭の中に浮かんで来た。

時間が経つほどに、心臓がバクバクして来た。

何気にテーブルに目をやると、メモ紙が置かれていた。

『二キータを大学の事務局まで送って来る。朝食は、冷蔵庫の中だ。アニータがシャワーを浴びると言っているから、くれぐれも覗かないように。もし、間違えてシャワー中を見てしまったら、俺にちゃんと報告する事。以上』

以上じゃねえよ、まったく……

メモ紙をくしゃくしゃに丸め、時計を見た。

やばい、学校に遅れる!