さよなら異邦人

いつもは飲んだくれて帰って来るリュウノスケが、その夜はやけに早く仕事から戻った。

まだ陽が明るいうちに家に帰って来る……

僕は嫌な予感を感じた。

こういう時は決まって、

「あんな仕事やってらんねえ!」

とか、

「くそバカ上司の下でへこへこしてられっかい!」

と大声を張り上げながら、ただいまとも言わずに玄関を入って来るリュウノスケが、両手いっぱいにスーパーの買い物袋を抱え上機嫌な様子で帰って来た。

それだけでも驚きなのに、リュウノスケの後ろにひっそりと隠れるようにして立っている女の人を見た時には、さすがにそういった事に慣れている僕もたまげた。

アニータという僕よりも年下の女の子だけじゃなく、更に別な女の子を連れ込むとは……

オヤジのやつ、まさか乱交!?

なわけは無い事は重々承知しているけれど、リュウノスケに限って言えば、そういう事があっても決して不思議じゃない。

「さあ、ここがおいらの家だ。入って入って、マイホーム、ユーアンダスタンド?」

父リュウノスケに促されて部屋に入って来た女性は、アニータと瓜二つの美人だった。