さよなら異邦人

「参ったなあ……」

独り言を呟き、ふと思い出して放り投げたままのケータイを手に取った。

父からのメールが立て続けに3通入っていた。

『ミドルネーム……アニータ 

 お前の一つ下だぜ ( ̄▽+ ̄*)』

『遠い親戚になるから、妹のように面倒見てやれよ』

『まだ日本語が上手くないから、そのつもりで。

 口説くんなら、俺が帰って来るまでに落とせ。

 ニヒヒ……(`∀´)V 』

3通ばらばらで送るんじゃねえよ!

という無駄な突っ込みはさて置き、ガイジンの女の子が遠い親戚だなんて、俄かには信じられないものだから、てっきり父が新たな言い訳でも考えたのかなと勘繰った。

リュウノスケならそういう嘘はお手の物だから。

それにしても困った。

深く溜め息を吐いた僕を見て、アニータは、

「わたし、名前、アニータ・サユリ・カトーいいます。今日、リマから来ました。サンジュさん、よろしく、おねがいします」

彼女の自己紹介を聞きながら、僕はまだ現実離れした話に呆然としていた。