食事も済み、一日二本と決められている二本目の発泡酒を開けた。
キッチンで一人ぽつんと座りながら、私はケータイを取り出し、野うさぎのページを開いた。
若者ばかりの小説サイトだが、時折り私の作品にも感想やレビューを寄せてくれる人が居る。そういった数少ないサイト上の友人達と、文芸について語り合っている時が、今の私にとっては最も至福のひと時だ。
感想の書き込みページを開いてみる。今日も書き込みは無し。先月から始まった、ケータイ小説大賞の為か、皆自作の更新に忙しいのだろうか。
100ページで止まってしまった『さよなら異邦人』の編集ページを読み返しながら、主人公である加瀬三十五と影山里佳子を我が子達と比べていた。
読みながら私は苦笑いを浮かべた。明らかに願望だけでキャラクターを動かしている。全ては現実の裏返しなのか……。
「へえ、そんなの書いてんだ」
いきなり背中越しに龍之介が声を掛けて来た。
「何だ、覗き込んだりして」
「読まれてやましい事でも書いてんの?」
「それはないさ。なんだったら、父さんが書いたやつ、読んでみるか?」
「ケータイじゃなくても小説自体に興味ないもん」
息子はそう言って、姉の里佳子にパソコンが空いたと告げた。
「多少は本を読んだ方がいいぞ」
「漫画で充分」
息子の言う事にも尤もな部分はある。今の漫画は下手な小説よりも奥が深い。
キッチンで一人ぽつんと座りながら、私はケータイを取り出し、野うさぎのページを開いた。
若者ばかりの小説サイトだが、時折り私の作品にも感想やレビューを寄せてくれる人が居る。そういった数少ないサイト上の友人達と、文芸について語り合っている時が、今の私にとっては最も至福のひと時だ。
感想の書き込みページを開いてみる。今日も書き込みは無し。先月から始まった、ケータイ小説大賞の為か、皆自作の更新に忙しいのだろうか。
100ページで止まってしまった『さよなら異邦人』の編集ページを読み返しながら、主人公である加瀬三十五と影山里佳子を我が子達と比べていた。
読みながら私は苦笑いを浮かべた。明らかに願望だけでキャラクターを動かしている。全ては現実の裏返しなのか……。
「へえ、そんなの書いてんだ」
いきなり背中越しに龍之介が声を掛けて来た。
「何だ、覗き込んだりして」
「読まれてやましい事でも書いてんの?」
「それはないさ。なんだったら、父さんが書いたやつ、読んでみるか?」
「ケータイじゃなくても小説自体に興味ないもん」
息子はそう言って、姉の里佳子にパソコンが空いたと告げた。
「多少は本を読んだ方がいいぞ」
「漫画で充分」
息子の言う事にも尤もな部分はある。今の漫画は下手な小説よりも奥が深い。



