なんとかここまでは更新出来た。しかし、この先が続かない。


 まだ100ページという事は、規定のページ数まで、この倍書かなければならないのだ。


 私は、今更ながらに大それた事を思いついたものだと、少しばかり後悔していた。


 とにかく親指が痛い。寝る時間も惜しんでケータイを操作し、小説なるものを書いているのだが、本当はパソコンで書きたかった。


 家にパソコンはあるにはあるのだが、家内と息子が使っていて、私は指一本触れさせて貰えない。


 買った時のお金は、私が働いて得たものだというのにだ。


 私がケータイ小説なるものを書き始めて、三年近くになる。


 小説を書く……


 それは、遥か十代の頃からの夢であった。


 その頃は、小説を書くといえば、当然手書きで原稿用紙に書かなければならなかった。今ほど文芸賞の数も多くなかったから、小説家を目指す者の多くは、直接原稿を出版社へ持ち込んだものだ。


 私も、ご他聞に漏れずそうした。何度も出版社へ作品を持ち込んでは、門前払いを喰らい、やっと目を通して貰えたかと思えば、駄作だと詰られた。


 それが、私の若かりし青春時代だった。