濡れた制服と下着を脱ぎ、裸の上からバスローブを羽織ると、温かく感じた。

里佳子が着替え終わるのをじっと待っていたが、トイレの中でこんなにも落ち着かない気分になったのは初めてだ。

まだかなと少し焦れて来た。

すると、トイレの扉をコンコンとノックされた。

僕は大きく深呼吸をし、笑顔を作ってトイレを出た。

「なんだか新婚さんみたいな気分」

「それって、笑って頷いた方がいいのか?」

「さあ、どうかな。ごめんね」

「なんで謝るんだよ」

「だって、つき合わせちゃったら、こんな事になっちゃったから」

「リカコのごめんねを初めて聞いたかも」

僕は努めて明るく爽やかに振舞おうとした。

「アタシ、そんなに嫌な女の子だった?」

「急にどうしたんだよ。リカコらしくないぜ」

「らしくない…か」

「だね。そんな事より、服とか乾くまでここに居なきゃいけないんだから、家に遅くなるって電話した方がいいんじゃねえか?」

「うん……」