さよなら異邦人

「怪我したとこ、見せてごらん」

そう言うと、彼女はソファに腰を下ろし、

「ここ……」

と言いながら右膝を指差した。

血は出ていなかったが、擦り傷になっていて、少し腫れているような感じだ。

「まだ痛い?」

「ううん……」

「少し動かしてごらん」

言われた通り、膝を何度か曲げた。

「大丈夫みたい……」

聞き取れない程小さな声だ。

さすがの里佳子だって緊張するよな。

「濡れた服、乾かさないと風邪引いちゃうね」

「ああ」

そういえば、バスルームにタオルとバスローブがあった。

僕はそれを取って来て、彼女に渡した。

「俺、トイレで着替えてる。終わったら、ノックして」

「判った」

僕はバスローブを持ってトイレに入った。