さよなら異邦人

幾ら気持ちいいからと言っても、集中豪雨のような降り方をされたら敵わない。

さすがに里佳子も起き上がった。

駆け足で駅の方へと向う。

国道を横切ろうとした時、里佳子が足を滑らした。

「大丈夫か?」

「痛い……」

里佳子の膝が擦り剥けていた。

「歩けるか?」

立ち上がろうとしてバランスを崩した里佳子の身体を、僕は両手で抱き止めた。

雨で体温を奪われた彼女の二の腕が、僕の首筋に巻かれた。

駅舎はそう遠くはなかったが、彼女は歩けそうもないというような表情で僕を見上げた。

「何処かでやすも?」

彼女の泣きそうな声に、僕はうんと頷いた。

僕と里佳子は、土砂降りの雨の中、タクシーが通るのを待った。