さよなら異邦人

それまで僕等に心地良さを与えてくれていた太陽が、急に翳り出した。

山側にあった雲が、灰色に姿を変えてどんどん海側を覆い始めた。

沖から吹く風が、少し肌寒さを感じさせ、雨の匂いを運んで来た。

「降るかな……」

里佳子がそう言って空を見上げたと同時に、大粒の雨が風に流されて降って来た。

最初はぽつぽつといった感じだったのが、ものの三分もせず、土砂降りになった。

まさしくバケツをひっくり返したかのような降り方だ。

あっという間に、せっかく乾き始めていた制服が、又してもびしょ濡れになってしまった。

僕は急いで敷いていた鞄を頭に乗せた。

里佳子はと見ると、一向に動く気配が無い。

「リカコ、どっかで雨宿りしようぜ」

「シャワー……」

「ん?」

「シャワーを浴びているみたいで気持ちいいの」

里佳子は砂浜に大の字になって雨を全身に浴びた。

「加瀬もこうしなよ!」

確かに、海水の塩分でべたついた身体を流すにはいいかも知れない。

僕も彼女と同じようにごろりと横になった。

生まれて初めて雨を真下から見た。