雪色の囁き ~淡雪よりも冷たいキス~

遼は静かに私を見つめている。

何か喋らないと緊張でおかしくなりそう。


「私、バカだよね。別れた方がいいのわかってるのに。諦め切れないなんて……」


遼から視線を外し、右手の指輪を撫でる。


「わかるよ。諦めたくない気持ち」


優しく目を細め、遼は言った。


「僕もそういう経験があるから」

「えっ、遼も?」


今までそんな風に言ってくれた人はいなくて、心が少し軽くなる。


「兄も陽介も、響と別れた方がいいって言ってたから。私の気持ちわかってくれるの、遼だけだよ」


私が笑顔を見せると、遼は目をそらし浅く溜め息をついた。


「別れてほしいと思うのは……俺だって一緒だよ」


独り言のように遼は低くつぶやく。


「え……」


彼の台詞に違和感を覚え、もう一度頭の中でリピートしてみる。

………俺?


「遼、今。……俺って言わなかった?」


私は思わず彼のシャツを掴んでしまう。