雪色の囁き ~淡雪よりも冷たいキス~

「――別れるの?」


無表情な視線を送り、遼は問いかける。


「………」


私は何も答えられなくなってうつむいた。

別れる……。

いざそれを想像してみると、その喪失感に耐え切れるのだろうかと怖くなる。

結婚したいほど、好きだったのに。
描いていた夢ごと捨てなければいけない。


いずれは、ずっと一緒にいられると思っていた。

最後は私を選んでくれると、信じてた……。


いつの間にか、視界が歪んでゆく。

全く出る気配がなかったはずの涙が、今頃溢れ出てきたらしい。


涙を拭こうと手を持ち上げたとき。

何かにぶつかってしまい、ハッと上を向いた。


そばには遼がいて、私の頬に彼の指が触れていた。

そっと涙をすくい取り、ソファの真ん中に座る私の右隣へ腰を下ろす。

腕が触れ合うほど近くに彼を感じ、心臓の鼓動が速くなった。

これまで同じソファに座ることなんてなかったのに。

今日の遼は、やっぱりどこかおかしい。