「辰……?」


半年前にも、いたんだ……。


「ただ、そいつは敬語のまま関係を切った」

「敬語って……あんまり長く一緒にいなかったってこと?」

「いや、4ヶ月くらいはいた。辰が慎重過ぎるんだ。大体、敬語の壁なんて思いついた当人だからな」


……。

辰が敬語のこと決めたの!?

前に覚えてなさそうな感じで話してた癖に!?


「でも、それならなんで仲間入り……」

「信じたかったんだろ?珍しく興味持ってたからな。話しかけてきたのは紅音(あかね)……その女の名前だ。でも、辰の慎重さは正解だった」

「正解って?」

「紅音は城那の妹だった」


……それは、もしかして……城那さんに頼まれて……?


「妹を使ってもう一度仲間になろうとしたらしい。さらに言うと、城那を追放したのも辰だ」

「へ!?」