「目を覚ますのは王子のキスだろ!?そんなの絶対だめ!!」


……。

己は夢見る乙女か!?


「……想、お前……」

「キスかぁ……思いつきもしなかったな……」

「確かに、王子様はここにいるけどね」

「昴姉さん、姫か……」

「……眠れる森の美女……」


……キス?

王子と?


……!!!!


だだだだ大丈夫!

この距離なら顔なんて遠いから大丈夫!!

手がやっと届いてるくらいだから大丈夫!!!!


「あ、昴姉さん焦ってる」

「ヒューヒューか〜わい!」

「蛍都、陽紀、うっさい!!」


ったく、からかうなっての。


そんなあたしと王子の手の上に、さらに何かが乗ってきた。