……不良様が堂々と姿を現しました。

しかも、一人。


いやいや、ここはもしかしたら別の場所に潜んでいるだけっていう可能性も……。


「よく来れましたねぇ、昴」


いきなり呼び捨てされた!!


まさかこの不良さんが……この人が陽紀?

しかも恒例の如くあたしの名前を知っている……。


「何、ビビってんすか?気がつよ〜い女だって聞いてたんすけど」

「……誰から?」

「そりゃ勿論、あのバカ……想からっすよ」


彼は、どこでも『バカ』で通じるらしい。

なんか、ここまで来るとすごく可哀想な人だよね。

でも自分じゃ否定してんだよね。

ある意味可愛いもんだよね。


「……って、まさか……」

「あ?」