それからあたしたちは城那さんの話を聞いた。
それはやっぱり、あたしが思っていた通りのことばかりで、本当に辰を一瞬殴りたくなった。
でも、あたしも辰のことを知ったし、城那さんのことも知った。
そんな二人の両方に味方することがあたしの役目なんだと、そこは抑えた。
城那さんの気持ち……漆が好きだという想いを直接本人に、しかも責め立てるような形で言ってしまったことは、本当に申し訳なく思ってる。
城那さんもものすごく恥ずかしがっていたけど、たぶんあれを言わなきゃコイツらは納得の一つも出来なかったんだと思う。
それを城那さんも分かっていて、勢いで言ってしまったあたしに「ありがとう」と言ってくれた。
……そんな顔も激カワだった……!!
それから、ユナとアサも一緒にTEARに出入りするようになり、二人と城那さんも仲良くなっていった。
そのうち紅音ちゃんもTEARに寄って毒舌を吐いて帰って行ったりと、TEARは前よりずっとずっとにぎやかになった。
誰もが居心地良く感じていて、その雰囲気も良かった。



