オモイビト



「え、あれ?兎さん……?」

「そ、兎さんよ。ここ受け継いじゃったのよ」


……あ、そっか。

この五人が中学の時って、兎さん高校生で働いてるわけじゃないんだ。


あれ、じゃ、この店誰の……?


「ここはね、私のお母さんのお姉さん……つまり叔母さんの家だったの。今はちょっと体調壊しちゃってね、私が受け継いだ形なのよ」


そう、兎さんは教えてくれた。

そうだったんだ……。


「昴ちゃんも座りなさい。座ってからゆっくり話せばいいじゃない。誤解なんてそれから解けばいい。あなたたちには、これからも時間がたっぷりあるでしょう?」


それは、城那さんもここに来てもいい証。


「……兎さん……っ」


城那さんの涙は止まらない。

そのかわいらしい声でその言葉を放った。


「みんな、ありがとう……ただいまっ!」