オモイビト



城那さんを迎えたのは、頭を深く下げている五人組。

もちろんキョドる城那さん。

あたしだってちょっぴりパニック。


「な、なにっ……?」

「城那ちゃん、本当にごめん」

「悪かった、全く気付いてなかった」

「本当に……」

「ごめん……」


蛍都と想は二人で一つの文なのね……。


「……城那さん」


漆は頭を上げて言った。


「お帰りなさい」


その、優しい王子スマイルで。


城那さんは肩を震わせて、泣いていた。

喜びとか、感動とか、そういう感情があふれ出たんだと思う。


「突っ立ってないで早く座りなさいよ」


優しくそう言う兎さん。