「想、ちゃんとお兄さんだったんだね」

「……さっきからそう言ってるけど……」

「……昴、今思考どこに飛ばした?」


そう陽紀に言われ、『飛んだ?』なんて考えながら答えた。


「え、留年したんじゃないの?」

「違う!!!!」

「え、違うの!?」


この中で一番お兄さんだと思ったのに!!


「留年してるから成績いいのかと……」

「しかも今年留年したと思ってるし」


……なんだ、違ったのか。


「え、じゃ、どゆこと?」

「お前、十月十日っつー言葉知ってっか?」


陽紀が呆れながらそう言った。


なんだろう、陽紀にバカにされるのってなんとなくムカつく。