なんとか想を沈めて……訂正・静めて、どうやらちょっぴり信じていたらしい漆もなだめた。
……漆が軽く陽紀を蹴ったことに、その場にいた全員が驚いた。
まさか、漆がささやかな暴力を振るうなんて!!
しかも相手は不良サンの陽紀だなんて!!
幼なじみって理由があっても、さすがに怖くないの!?
「漆」
「……」
「弟子になるか?」
「拒否」
即答だった漆。
反抗期な漆は、ちょっぴり可愛かった。
「……じゃなくて!!」
いいの、そんなことどうでもいいの!!
「あたし想に『愛ちゃん』のことを聞きたかったの!!」
そう、想の妹の愛ちゃん。
なんか名前からして可愛い『愛ちゃん』。
「愛……?」
「うん、気になる」
想の妹なら、絶対に可愛いと思うの!!



