頭も終始働かせっぱなしだし、ロビーに気を配ったり行員の動向を見たりして、もうヘトヘトになりそう。
だがまだまだ仕事はこれからだ。
シャッターが下りてからの時間の長さを思うと、毎日のこととはいえ、身震いしてしまう。
幸い今日は繁忙日という訳ではないが、防犯訓練もあることだし、前倒し出来る仕事はちゃっちゃと済ませておかねばなるまい。
休む間もなく今度は、逆側から「再勘お願いします」とタジマに声がかかった。
出納係から回ってきた現金を伝票と照らし合わせ、検印をポンと押すと、前に座るユリカに声をかけた。
両替を手渡しながら、タカヤに今日の防犯訓練について連絡をするように伝える。
ユリカが頷いてロビーに向き直ると、両替を待っていた弁当屋の女性とタジマの目が合った。