男が頷いたのを見て、タカヤは女性に目配せしたが、女性は首を傾げて寄越した。
内勤の女性なら、時間外に来る予定の顧客を知っているかと思っての所作だったが、どうやら女性は何も訊いてないらしい。
内勤のタジマ次長は、少しうっかりしていることもあるから、伝達を忘れている可能性もある。
それとも全くアポ外の客だろうか。
しかし男が『用がある』というのであれば、あまりぐずぐずして待たせるわけにもいかない。
そう判断したタカヤは、ぐっと扉を開けると、おどおどとした男を中へと通し、自らも支店の中へと入った。
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