『今日4時からの防犯訓練、犯人役大丈夫ですか? お客様と約束あるなら他の人に連絡しますけれど』 そう言った彼女に、再度ちらりと腕時計を見た。 3時8分過ぎ。 「うん、大丈夫。いま支店に帰って来たとこだから。 それより──」 『え? 支店に帰って来てるんですか?』 中からドアを開けてくれ、と言いかけたタカヤに、電話の向こう側でユリカが言った。 『じゃあ大丈夫ですね』 そう言って電話を切りかけたユリカに、タカヤは慌てて声をかけた。 「もしもし、ユリカさん? もしもーし!」