けれど、意外にもアヤは生ビールをジョッキを手に取り、グビグビと喉を鳴らして飲んだ。


さっきの満面の笑みは何?てっきり何かを言われると思って身構えたのに。


「アヤ、なんで笑ったの?」


「いやあ、フユって声で嘘つくのは上手だけど、顔に出るタイプだなって思って」


ヤバ、完全に墓穴を掘った。聞かなきゃ良かった。もう馬鹿。


アヤの一言に、私は思わず自分の顔を触って確認する。


顔が熱いわけじゃないから、こっちじゃない。じゃあ表情か……?


「口角だよ。こ、う、か、く。可愛いなぁ、もう」


そんな私に対し、やっぱり四年早く生まれてるからだろうか、アヤはたっぷりと余裕の表情をした。