―――…帰り道。






あたしたちは他愛ない会話をした。





それは、あたしにとって幸福だった。




きっと、二人もそう思ってんじゃないかな…?







別れ際に、悠斗があたしに言った。






「今日のうちにチーズケーキ食べておこうなんてこと、考えないでよね。」






あたしはギクリと肩をびくらせた。





やっぱりというため息で、悠太が笑う。






「言っとくけど、そんなことがあったら二倍にして返してもらうよ。」





―――だめだ…。あたしの考えていることは、すべて筒抜けだ。





あたしは諦めて、コクリと頷いた。






二人は静かに微笑んだ。




「―――おやすみ、薫。」