薫の気持ちが知りたくて、頑張ってた俺も、

薫への気持ちにイライラして別の女と付き合った俺も、



…―――なんの、意味が存在したのだろうか…?




俺は小さい頃から薫が好きだった。



多分、幼稚園の頃にはもうそれの類だったと思う(悠太もきっと好きだった)。


薫が転んでしまって、男の保育士に面倒を見てもらっている時は自分でも驚くくらい腹が立った。

もうその頃から『嫉妬』の意味を知っていたんだろうな。




薫を守りたい。




いつしか俺はそう思うようになった。


転ぶ前に助けてあげたい、転んだとしても一番に手を差し伸べてあげたい。





薫の笑顔が欲しい。





毎日見ている薫はいつも笑っていた。
そんな人が自分だけに笑ってくれたらどれだけ幸せだろうか。




できれば、俺を好きになってほしかった。



瓜二つのもう一人の俺じゃなくて…